いや車体に傷はつかなかったけど、擦過傷は肉を食わなきゃ治らない。
それはともかくとして。
最近は頭の中から浮かんできた考え事を、ここで形にするためにひねり回す時間が増えた。
幼稚ではないだろうか。乱暴ではないだろうか。いい加減では。無難では。
これは、読むに値する面白いものになっているだろうか。
……とすると、twitterをやめた効能は『少しだけ慎重になった』くらいか。twitterに限ったことではなくネットを始めた初期の初期からこれまで続けてきた、浮かんだ考えをすぐに表に出すという動作はじつは、必ずしも自分、自分という作家にとって良くなかったのかも知れない。
やめる少し前は、あの場でなにごとかを評すれば評するほど、断ずれば断ずるほど、自分はものを作る人間から遠ざかっているのではないかと感じていた。
タイムラインではさまざまな人たちが、さまざまな形で好意をあらわし、敵意をあらわにし、僕はその振り幅に飲み込まれて何かを愛し、また憎んでしまう。それを表に現してしまう。
そうではない。
僕がやるべきはなにかに好悪を向けるのではなく、好悪を向けられるなにかを作ることだ。
この世の誰かに愛され、憎まれる作品を生み出すことだ。
そのためにネットに接するのもいいが、そいつは本業じゃない。
僕の本業は漫画家だし、僕がこの世で一番好きなものは僕の漫画だ。
それに対してだけは誠実であるために、僕はtwitterをやめて、好き嫌いをあまりつまびらかには、大っぴらにはしない事にした。
漫画家の好き嫌いなど、漫画にとっては迷惑なノイズでしかない。
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